名古屋芸術大学を選んだ理由は?
絵を描くよりも作品を鑑賞することに興味があり、大学では鑑賞を専門に学べる学部を志望していました。多くのデザイン系や芸術系の学部を調べましたが、「見ること」を専門に扱う領域は意外と少なく、その中でいちばん近いと感じたのが芸術教養領域のリベラルアーツコースです。ちょうどコロナ禍でオープンキャンパスがなかった時期でしたが、情報を集めるうちにこのコースに魅力を感じ、入学を決めました。
所属しているコースで、一番力を入れていることは?
私がもともと魅力を感じていたのはフォントでした。文字の形やバランス、文字組によって印象が変わること、人の手書き文字が持つ独特の味わいにも強く惹かれていたんです。学校で開かれる面談でその話をしたところ、「芸術教養領域よりデザインのほうが向いているんじゃないか」と先生にすすめられ、2年次からライフスタイルデザインコースへ転籍しました。
当初は「作る」ことよりも「見る」ことに関心がありましたが、授業を通して制作の楽しさを発見し、自分の考え方が変わっていったんです。ライフスタイルデザインコースは最終的なアウトプットだけでなく、そこに至るまでのリサーチを重視しているので、デザインに自信のなかった私でも取り組めると思いました。振り返ると、受験のデッサンで描くこと自体が少し苦手になり、その反動で「鑑賞が好き」と思い込んでいたのかもしれません。今では、作ることと見ること、どちらにも楽しさを感じられています。
将来の夢や目標はなんですか?
食品パッケージデザインの会社に就職が決まりました。私の役割はデザイナーではなく、企業とデザイナー、あるいは企業同士のデザイナーをつなぐ“橋渡し”のような役割です。パッケージには文字もあれば、多彩な色使いもありますよね。それらを扱う際に、食品メーカーのデザイナーとパッケージデザインのデザイナーをつなぐことで、4年間の学びを活かせるのではないかと思いました。どうしてもこの仕事がしたくて、新卒募集のない会社でしたが、中途採用向けのアプリを通じて就職活動を行い、内定をいただきました。
尊敬しているアーティストはいますか?
私が尊敬しているのは、櫻坂46さんです。グループ名が欅坂46だった頃から大好きで、強いメッセージ性を持つ歌詞やかっこいい衣装、ジャケット写真などに惹かれました。ライフスタイルデザインコースで学んでいるうちに、本学卒業生のOSRINがアートワークを手掛けていると知り、同じ大学の先輩が関わっていると思うと嬉しくなりました。櫻坂46展「新せ界」もOSRINによる全面プロデュースで、本当にすごかったです。
この大学をめざしている後輩にメッセージを!
転籍したこともそうですが、自分に合ったものがあれば背中を押してくれる先生もいらっしゃいますし、前向きに考えて欲しいですね。共通する専門性を持った価値観の合う仲間もいます。私自身、中学校の友達より高校の友達が好きだし、高校の友達よりも大学の友達が好きなんです。考えてることがわかり合える、必ずしも共感じゃないけどもお互いに理解はできる、そんな友達がいます。自分の興味や情熱を信じて、やっぱりやりたいこととか曲げないで、自分のなりたいようになったほうがいいです。