名古屋芸術大学を進学先に選んだ理由はなんですか?
音楽家の両親のもとで育ち、5歳からピアノを習い始めました。小学6年生の頃には、すでにピアニストになりたいと思っていて、高校は東京音楽大学の付属高校に進学。その後進学した東京音楽大学在学中に、コンクールで尊敬する横山幸雄先生とお話しする機会に恵まれました。それがきっかけで、私の演奏を聴いてくださったり、相談に乗っていただいたりし、演奏家、指導者、そして人としても素晴らしい方であると感じたんです。
そんな横山先生が特別客員教授を務めていらっしゃるのが名古屋芸術大学。もっと時間をかけて師事したいと思い名古屋芸大の大学院への進学を決めました。
先生方のご指導はいかがですか?
個人レッスンを受けられるのは毎月1、2回ほど。演奏の細かいズレや変化を見抜いていただき、合わせてアイデアもご提示くださいます。とても内容の濃い指導で充実した時間です。また、演奏中に楽譜をめくる「譜めくり」として先生のコンサートに帯同させていただくことも。尊敬するアーティストの活動を間近に見られることも貴重な経験になっています。
そして年3回ほど、もう一人の特別客員教授である上原彩子先生のご指導も受けています。作品と真摯に向き合う充実した時間を過ごしながら、ピアニストとしての姿勢についても学ばせていただいています。
ほかに名古屋芸術大学に来てよかったと思うことは?
音楽理論の授業は、驚きと発見の連続。私は古典のみならず現代音楽にも興味があるのですが、作品の構造や手法の理論を学ぶために、再度歴史を深く読み込んでから分析します。その時間がたまらなく楽しいです。
また、2021年のシドニー国際ピアノコンクールでは6位に入賞できました。しかし、それはサウンドメディア・コンポジションコースの皆さんに助けていただいたから。感染防止のためオンライン審査に変更されたのですが、演奏後すぐに動画ファイルをアップロードしなければなりませんでした。オンライン特有の録画のズレなど、自分だけでは対処が難しい問題も、皆さんから音声と映像収録の両方で多大なサポートをいただき、285人中6位という成果につながったと感じています。
将来の夢や目標はなんですか?
2021年の秋から、ドイツのベルリン芸術大学に留学します。これから自分がどうなっていくのかは未知数ですが、いつか横山先生のような、日本でも幅広く活躍できるピアニストになりたいです。
そしてもう一つの目標は、次世代に自身の経験を伝えていくこと。留学準備中には、留学経験のある先生方からアドバイスをいただき、多くの方が応援してくださいました。名芸大にはとてもお世話になりましたので、次は自分が恩返しをしていく番。そのためにも今は多くを経験し、技術や知識などすべてを吸収していきたいと思っています。
この大学をめざしている後輩にメッセージを!
授業では学生を第一に考え、相談や悩みがあれば親身に寄り添ってくださいました。名古屋芸術大学はとても誠実で温かな学校です。同級生同士の仲も良く、もちろん競争はありますが、「みんなで一緒に学んでいこう」という風通しのいい雰囲気。私がそうであるように、きっと皆さんも通うのが楽しみな毎日になると思います。
楽器の演奏は、自身の生き方や感じ方が音になって表れます。分野の追求はもちろんのこと、これから大人になっていく重要な時期に名古屋芸術大学で「人」としての大切な何かを学んでください。